工場自動化
工場自動化では、スマートライトとセンサソリューションを使用して、オープンな作業環境での機能の安全性を保証し、最新の製造工程で効率と製品品質を向上します。ams OSRAMは、生産プロセスの改善を可能にする光学ソリューションの包括的なポートフォリオを提供しています。
ファクトリーオートメーション向けソリューション
機械が世界をより正確に把握できるように支援
マシンビジョン向けのams OSRAM光学ソリューションは、機械が世界を正確に捉えられるようにします。マシンビジョンは多彩なアプリケーションを網羅します。一例は、品質管理用の自動光学検査です。イメージャの解像度、画像サンプリング速度の毎秒のフレーム数、ラインまたは2Dシーンスキャン、グローバルシャッターまたはローリングシャッター技術、そしてシーンに合わせた照明の組み合わせは、望ましい画質を達成するために不可欠です。シーン照明が通常の昼光を補完するものである場合、センサによって制御されるスペクトル適応型の照明が必要になる可能性があります。ams OSRAMは、さまざまなマシンビジョンアプリケーションやユースケースに対する今日のニーズに対応した、幅広い最先端の製品ソリューションを提供しています。投光イルミネータと高コントラストのドットイルミネータを使用した近赤外照明は、高感度NIRイメージセンサを組み合わせることで、人の制御が及ばない周囲光の条件に左右されない、コンパクトで費用対効果の高い高性能なビジョンシステムを実現します。
ams OSRAMは、LEDベースおよびレーザーベースのイルミネータ（VCSELとEELテクノロジーの両方）におけるリーダーであり、さまざまな出力クラス、スペクトル、パッケージオプションで提供しています。さらに、ams OSRAMのポートフォリオは、昼光の影響を受けない近赤外域と可視スペクトルの製品ファミリーを含め、量子効率に優れた、低解像度から2桁メガピクセルの高解像度までのイメージセンサを網羅しています。イメージャとイルミネータは、フットプリント1mm²未満の完全一体型小型カメラや、光学フィルターとレンズをイメージャセンサモジュールと組み合わせたプリパッケージイメージャなど、さまざまな集積度とフォームファクタで提供されています。
社内でカメラのセンシングシステムに必要なコンポーネントの専門知識をすべて提供するワンストップショッピングを通じて、当社はマシンビジョンシステムですべての光学要素に関し、エキスパートレベルの専門性をもってワンストップショッピングを提供できます。パートナー企業のエコシステムと手軽に実装できる設計キットは、顧客設計の市場投入を加速させます。基礎となるアプリケーションの要件と、それらのハードウェアシステム上で動作する高度な機械学習アルゴリズムの画像処理の制約に合わせて、マシンビジョンソリューションを正確にカスタマイズすることができます。
存在検出と物体位置検出のための3Dセンシング
正確で信頼性の高い3Dセンシングは、特に自動調整可能なピックアンドプレース作業など、ファクトリーオートメーションにおける多くの生産作業に不可欠です。3Dセンシングは、機械がその特定の環境内で扱う必要のある物体を正確に識別することを可能にします。ビジョンベースの3Dセンシングソリューションは、ステレオビジョンの場合はデュアルカメラセットアップ、ストラクチャードライトビジョンの場合はシングルカメラと定義されたパターン投影を組み合わせたセットアップで一般的に実現されます。より優れた3Dスキャン性能のためにストラクチャードライト投影とステレオビジョンが組み合わされたものは、「アクティブ」ステレオビジョンと呼ばれます。さらに、放出された光子と物体に反射された光子間でシングルパルス（ダイレクトToF）または連続変調（iToF）のいずれかのランタイムが測定される、タイムオブフライト（ToF）ベースの3Dスキャンコンセプトが展開されています。
さまざまなアプリケーションの課題に対応するために、ams OSRAMのイメージャとイルミネータまたはドットプロジェクション製品で実現可能なビジョンベースの3Dセンシングソリューションに加えて、非ビジョンベースの3Dセンシングもams OSRAMが提供するセンサで実現することができます。完全に統合されたマルチゾーンダイレクトタイムオブフライト（dToF）センサは、物体までの距離を検出して測定するとともに、シンプルな移動経路予測アルゴリズムを可能にします。ams OSRAMのマルチゾーン3D dToFセンサファミリーの全製品は、関連する距離とゾーニング情報をチップ上で処理し、ヒストグラムベースで外部コントローラに提供するため、非常に簡単にセンサを統合でき、監督するマイクロコントローラは多くの基本的なアルゴリズム計算タスクから解放されます。
iToFカメラとLiDARスキャナには、多様なスペクトル、出力、パッケージ、組み込みオプションが用意されている当社のVCSELと端面発光レーザー（EEL）製品が最適な選択肢となります。
バーコードリーダー
自動認識とデータキャプチャ（AIDC）とは、物体を正確に識別し、IDや標的/宛先アドレスデータなどの重要なメトリックを取得する機能を指します。小売やPOS端末、宅配便のピックアップ、倉庫作業などでは、バーコードやQRコードを読み取るためにAIDCスキャナが使用されています。それらのスキャナは通常、リニアイメージセンサまたは2Dアレイイメージャをベースとしています。AIDCスキャナは、QRコードとパッケージの体積の両方をモニタリングする、物流センターの高速コンベアベルト周辺にも設置されています。
その他の条件が、いくつかの重要な基準となります。例えば、小売、POS端末、宅配便のピックアップ及び倉庫作業に使用されるハンドヘルドAIDCスキャナは、リニアイメージセンサまたは2Dアレイイメージャをベースとしています。もう一つの例は、QRコードとパッケージの体積の両方をモニタリングする、物流センターでの高速コンベアに使用される高度な固定カメラです。こういった施設におけるそれらの設備は通常、高度な高速ラインスキャンやグローバルシャッターカメラを固定した設備によって実現されます。
AIDCシステムは、照明システム、光学センサ、デコーダの3つの部分から構成されます。照明システムは、レーザーまたはLEDライト（通常は赤色スペクトル）をバーコードまたはQRコードの白と黒の要素に照射します。より高度なシステムでは、センサがイメージセンサで構成され、照明システムから反射された光を検出してデジタル信号ストリームを生成し、それをデコーダに送信します。よりシンプルなシステムでは、センサ機能がディスクリートフォトダイオードのアレイで実現され、取得した反射信号のアナログ信号を提供します。最後にデコーダは、通常小型のマイクロコントローラであり、取り込まれたバーコードまたはQRコードの信号応答を解釈・検証し、それを制御ホストシステム内でさらなる処理が可能な数値コードに変換します。
ams OSRAMは、AIDCシステムの照明とセンシングの部分を実現するための完全な製品ポートフォリオを提供しています。これらのスキャナに最適なCMOSイメージセンサを簡単に組み込むことができます。高速のラインスキャナは1D読み出しが可能で、高速コンベアベルトへ手軽に統合できます。高量子効率のグローバルシャッター画像センサは、スキャンした画像データに歪みを生じることなく、省電力の読み取りを可能にします。こうしたグローバルシャッター画像センサがステレオビジョンやストラクチャードライトを使用した3Dビジョンシステムに組み込まれた場合、3D体積測定が可能になります。
ams OSRAMのレーザーダイオードは、バーコードやQRコードのスキャンに最適な光源です。新しい緑色レーザーのダイオードは、赤色レーザーの重要な特性を犠牲にすることなく、緑色レーザーが持つ赤色の4倍明るい外観の恩恵を製品メーカーが受けることを初めて可能にしています。長距離スキャナでは、可視性が高いほうが理想的です。距離制御の点では、光学ソリューションを高精度な近接性または登場センシングソリューションで補完し、オートフォーカスと制御対象のシステムのウェイクアップを支援して電力を節約できます。
安全性
従来の製造環境には、危険あるいは高感度の機械や製造工程に人間や機器が近づかないようにする安全柵など、多数の機械的保護装置が混在しています。よりオープンでフレキシブルな製造環境では、必要な安全機能は、2Dまたは3D LiDARレーザースキャナや1D/2D LEDライトカーテンによって実現されます。これらは分離されたエミッタとレシーバのユニットで構成され、光検出器が組み込まれています。各製造環境では、数百ものLiDARスキャナ、ライトビーム/ライトカーテン、制御された機械式安全柵が利用されています。インダストリー4.0の原則に主導され、製造環境はよりオープンでフレキシブルになっています。ams OSRAMのLEDs、レーザー、そして対応するフォトダイオードは、その実証された品質と信頼性により、設置された多くの機器で使用されています。
スキャン操作の全体的な複雑さを軽減するために、新しいトレンドは、よりオープンな環境でのより高度な3Dスキャンに向かっており、これは単一のセンサ内に関連する存在検出測定機能を組み合わせたものです。これにより、スキャニングアーキテクチャが簡素化され、例えば可動部品の予測など、新しいアルゴリズムの可能性が広がります。ams OSRAMは、特に3Dベースのセンシングに適したビジョンベースのセンシング製品を幅広く提供しています。例えば、高量子効率の近赤外線グローバルシャッターイメージャやパターンプロジェクタが含まれます。さらに、すぐに組み込み可能なマルチゾーンタイムオブフライトセンサは、必要な3D位置情報を得るための計算オーバーヘッドが非常に低く、高い設計柔軟性を提供します。
製造環境における機能安全には、単なるローカライゼーションや存在検出にとどまらない側面があります。多くの場合、人間が操作する危険な機械には、専用のハンズオフ/オン検出が必要です。ams OSRAMの高度なマルチチャンネル静電容量センシングコントローラとスマート近接センサの組み合わせは、全体の状態が機能的に安全である場合にのみ機械の運転を許可する包括的な安全監視システムの基礎とすることができます。安全状態は、さまざまなフォームファクタ、パッケージオプション、電力クラスで提供されている マルチカラーLEDの豊富なセットから選択して、視覚的に表示することができます。また、監視対象の生産設備周辺の床や壁にユーザー定義のパターンや記号を投影することによって、革新的な状態表示を実現することもできます。
状態監視/予知保全
状態監視と予知保全アルゴリズムを機械学習と人工知能と組み合わせることで、機械の最適な運転と適切なメンテナンス時期についてデータに基づいたインサイトが得られます。ファクトリーオートメーションでは、メンテナンスのレベルを5つに分類しています。最低レベルは、対応型・予防型メンテナンスで、故障が発生したとき、または決まった間隔で、あるいは運が良ければ故障する前に、修理が行われます。状態に基づいたメンテナンスでは、機械を継続的に監視することで、機械が既知の良好な状態から逸脱したことをできるだけ早期に検知して知らせ、必要なメンテナンスの措置を採ることができます。予知保全は、状態監視の上に先読み層を追加し、メンテナンス措置が必要になるまで機械をあとどのくらい運転できるかを評価します。残りの運転時間は、過去の広範な統計データに基づいて予測されます。機械学習は、使用パターンをより広い文脈で評価することで、メンテナンス予測と機械の運転をさらに改善します。.すべての異なる状態監視と予測アルゴリズムに共通しているのは、スマートで正確なセンサによって提供される正確な機械データが必要だということです。
ams OSRAMの既存のセンサポートフォリオは、幅広いパラメータを網羅しており、予知保全アルゴリズムに必要なデータを効果的に供給します。例えば、磨耗したギアボックスのポジションセンシング、埃や汚れ、煙、さらには機械的な位置ずれを検出するための光エミッタと光検出器の組み合わせ、最高精度の温度センサ、コーティングや塗料のばらつきを検出するためのカラーセンシング、水分や要求される材料の状態からのずれを検出するためのスペクトルセンシング、膜厚の測定や適切な量の接着剤塗布のための静電容量センシングなどがあります。モーターや高電圧電源内部の重要な部分放電を検出するための革新的なUVスペクトルセンシングも、ams OSRAMのセンサを使用して実現できます。重要な機械の運転状態と実際の健全性を明らかにするために適したセンサ機能を提供しています。